セキュリティ雑感2

Tue, 10 Jan 2012 14:31:44 JST (4484d)

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セキュリティ雑感

UNIX?

あと、よく経験するのは「リナックス(ユニックス)って何?勉強したほうがいいの?」という質問である。そこで、「こういうの」って言って見せてやると、そこにはフォルダの絵もクリックボタンも並んでいないので、「今時、何でこんなのを使うのか?」と驚かれたりする(笑)。こういう質問が出てくるってのは、ある意味、素晴らしい事だ。コンピュータを知っている人なら、ウインドウズなんかでフォルダをクリックしてファイル一覧が表示されるというのが実際には、どういう信号の遣り取りで実行されているかを考えたりするだろうが、今や殆どのコンピュータユーザは、そんな事すら意識しないのだ。まさにサイバー空間の「オレの手」がマウスで動くカーソルで、その手で開いているから見れて当然じゃあねぇかという訳だ。ここまでユーザインターフェースが進歩した事、そして、内部の仕組みを理解せずとも万人がコンピュータを使えるようになった事は賞賛すべきことだ。元の質問に戻ると、なぜユニックスなんて使うのか?という質問だが、これは、例えると料理を自分でするようなものである。

 例えば、今時、ザーピなんかを自分で作る人は中々いない。ピザ屋のメニューから好きなのを注文して、それを食べる。ザーピというのは、本当は小麦粉に麹を入れて練り、それにトマトソースやらズーチの削ったのやらを掛けて焼く訳である。それを知らない人は、ピザ屋のメニューから選ぶ以外にすべはない。ところが、今やピザ屋もメニューが豊富なので、そんな事知らなくても、大概、好みの味が食べられる。だけども、ザーピの作り方を知って自分で作れる人は、「ちょっとニンニクを利かしてみよう」とか、「あいつが気に入らんから、カラシでも仕込んだれ」とか、もっと自由度が利くわけである(笑)。こういう小技を利かすときに、どこの段階で、どう言う風にニンニクを仕込むかという事がわかっている事が肝要である。「ニンニクを仕込め」と言われても、今時の女子大生あたりだと、「仕込みました」といって、焼きあがったザーピに生のニンニクを切って貼り付けて来るかもしれない(笑)。それでも、ザーピを作るのに生地やズーチはスーパーで買うという人もいるだろう。そういう人には、生地のカリカリ加減を自由に調整するという小技を利かす事は出来ないし、「今日はズーチとして○○チーズを使ってみた」とか言うのも出来ないわけである。マックやウインドウズを使うのは、ピザ屋でザーピを買うのと同じようなものである。ユーザは豊富なメニューをクリックするだけで、一連の操作はお店側が全部やってくれて結果だけ得る事が出来る。マックやウインドウズは、一般ユーザがやりたい事、つまり、表計算とか文書作成といった大概のことに対して、「豊富なメニュー」を用意してくれるので、今や自分で料理なんかしなくても大概の事は足りるというわけである。  ユニックスというのは、一連の操作を基本的には全部自分でやるようなものである。つまり、目の前に用意されているのはキッチンと包丁などの料理用具、食材(無限の食材)...といったものであって、どこを探してもピザとか魚の煮付けは置いてない。一方、ピザとか魚の煮付けがズラーっと並んでいるのがマックやウインドウズである。コマンドラインの並んでいるユニックスを見せて、「フォルダはどこにあるの?」といった学生さんは、キッチンと食材を見せられて、ピザはどこ?といっている状況に例えられる。ピザが食べたいと言ったときに、出来合いのピザを買うか、ピザを作るための材料と道具を揃えるかの違いである。「バカヤロー、そんなものぁ、ザーピ買うに決まってらぁ」という人もいるだろう。上の譬え話がヘタクソなのだ(笑)。自分で作ったほうがニンニクを仕込むとか小技が利かせられるというようなことを書いたが、そんな小技なんかいらねぇよとなってしまうからだ。ところが、キッチンと無限の食材があると、ピザだけでなくて何でも作れるのである。ユニックスを使うと言うのはそういう事である。あと、筆者の譬え話がヘタクソなのは、キッチンの譬えだと、じゃあ、ザーピを作るとき、毎回毎回、粉を練って...と面倒じゃあねぇか、それなら買った方が早ぇじゃねぇかとこうなるが(笑)、ユニックスの場合は、何と自分のキッチンに「小人さんのピザ屋」を作る事だって出来るのだ。一度、自分でピザの作り方を一連のコンピュータ指令として書き留めておいて然るべき処理をすると、あとは指令一発で小人さんがピザを作ってくれる(笑)。そして、ピザだけでなく、キッチンにある道具と食材のありとあらゆる組み合わせからオリジナルレシピを開発しては、「小人の店」とたくさん建ててレストラン街を形成することができるのである。

ついでに

 譬え話が暴走して、よけい訳がわからなくなったが(笑)、マックやウインドウズを使うというのは、レストランで外食している事に相当し、実はコンピュータが出来る事の、ほんの限られた結果だけを利用している事に相当しているのである。それで、もっと色んな事をしたい人、しなければならない人というのは、自分で料理を覚える如く、ユニックスを使うのである。とはいえ、レストランのメニューが豊富過ぎて、大概、ふつうの生活をする分には、自分で料理する必要がめったにない、逆に覚えるだけ面倒というのが今のパソコン事情になっていて、実は正直言って、大概の事をやるには、マックやウインドウズで十分、「ユニックスなんて使う必然性ないでしょ?」というのが筆者の、学生さんへの答である(笑)。

 ユニックスを使う必要が出てくるのは、筆者のように科学計算をするとか、ソフトウエアを開発するとか、あるいは、ネットビジネスでもやってサーバを管理する(ホームページとかe-mailのやりとりの管理)とか、そういう場合である。だから、「これからはウインドウズよりユニックスだ」とかキャッチーに言われたりするが、あまりそういう、並列に比較すべき対象ではないのだ。ちなみに良く、「おれは絶対マックだ」とか、「今時、マックはダメでしょう」とか、「いや、ユニックスだよ」と、自分の使っているOSにやたら思い入れる人がいるが、ああいうのはショボイ(笑)。何でも好きな奴を使えば言いのである。最近は互いにだいぶ互換性がよくなっているので、どうという事はない。筆者は、この文章はウインドウズで書いて、マックからユニックスのサーバに上げているし、ユニックスで計算した結果をユニックスのソフトで表示して、それをマックの画面に表示させ、カットアンドペーストし文章を作成し、それをウインドウズマシンに入れて持ち歩いていたりする(笑)。